【慶應義塾大学(経済学部)】英語対策とお勧め参考書!英作文を攻略せよ

中堅〜難関私立大対策 大学受験

この記事では次のような悩みに答えていきます。

慶應義塾大学の経済学部を志望する者です。苦手科目が英語なので何とかしたいのですが、過去問を解いても歯が立ちませんでした😭解法のコツ、勉強法などがあれば教えてください。

ということで、今回は慶應義塾大学経済学部の英語を解説していきます。憧れの慶應に入学したいけれども、英語が不安だという人のためにこの記事を書きましたが。この記事を読めば、次のことが分かるようになります。

  • 慶應義塾(経済学部)試験概要
  • 英語の問題傾向
  • 英語の攻略法・勉強法
  • おすすめ参考書

筆者情報

英検1級、TOEIC900点オーバーの英語教師です。毎日、大学入試問題を解いています。慶應の経済対策も熟知しています。私の独学方法の記事はこちらをご覧ください。

では、早速始めていきましょう!

慶應義塾(経済学部)試験概要

まずは、試験概要から解説していきます。試験日程と配点は次の通りです。

試験日程

  • 10:00-11:40 外国語(100分)
    13:05-14:25
    数学(A方式)、地歴(B方式)
    15:15-16:15
    小論文

どの大学も基本的には変更無しだと思います。採点する大学教授の都合もあるので、日程は変わらないことが多いです。

□配点

  • A方式
    外国語:200/420
    数学:150/420
    小論文:70/420
  • B方式
    外国語:200/420
    地歴:150/420点(日本史もしくは世界史のいずれかを選択)
    小論文:70/420

理系であればA方式、文系であればB方式を選ぶ人が多いと思いますが、共通して外国語の配点が半分近くになっているということです。

さらに、最も気を付けなければならないことがありまして、長文問題で一定の点数をクリアしないとそれ以降採点して貰えないということです。つまり、長文が低すぎると英作文だけでなく、他教科の採点をしてもらえません。足切りの点数は年度によって異なりますが、正答率5割が1つの目安になります。(慶應は受験者が多いので、全て採点していたら合格発表に間に合いませんね)

最低ラインがある背景としては、慶應経済の長文問題は大学オリジナル問題なので、「自分たちのオリジナル問題を最低限理解できる人」を第一関門としているのだと言われています。

こちらに、2022年度入試情報を添付しました。細かな数値はこちらの画像をご覧ください。

合格点は7割が目安

ちなみに合格点の方は7割の得点が目安になります。年度の難易度によって多少の上下はありますが、70%の正答率は確保できるように勉強しましょう。理系は文系よりも点数が落ちるので、6割程度になる年もあります。

ですが、やってみないと分からない結果論でしかありませんので、普段の勉強では7割を確実に越えられるように意識することが大切です。

勝負は英作文

外国語は200点ですが、配点は明らかにはなっていません。ただ、英作文の割合の方が高くなっているという情報があるので、長文:英作文=90110くらいであると考えましょう。

つまり、長文で一定スコアをクリアしても、本番は英作文と言う訳です。英作文の強化は必須です。詳しくは後程解説していきますので、安心してください。

英語の問題傾向

では、具体的な英語の問題を分析していきましょう。各大問の傾向は次のようになっています。

  • 大問1〜大問3:長文読解(各700900語)
  • 大問4:和文英訳
  • 大問5:自由英作文

配点が長文:英作文=90点:110点くらいであることを踏まえると、いかに長文を速く終わらせて、英作文で十分得点できる時間を確保できるかがポイントになります。

時間配分は長文全体で60〜65分、和文英訳は10分、自由英作文で2030分がベストです。

英語の攻略法・勉強法

概要は以上で、これから細かい対策や勉強法に移っていきます。これらを1つ1つ解説していきます。

  • 1段落1問ずつ解ける(長文に臆するな!)
  • 空所補充は、「文脈理解+文法・語法知識」
  • 「〜が言った・言ってない」問題は先読みする
  • アクセント知識も必須です
  • 和文英訳は「とにかく分かりやすい表現」を使う
  • 自由英作文は先読みする(長文テーマ把握できる、反論意見をメモしなければならない)

なお、今後の説明で使用する写真は2021年度入試問題です。大手予備校の東進衛生ゼミナール公式ホームページから閲覧できます。無料登録すると利用することができるようになります。

1段落1問ずつ解ける(長文に臆するな!)

慶應経済の長文問題は、1段落ごとに1問ずつ解くことができます。写真のように、文中に空所補充がある場合や、段落最後に( )があって内容理解問題になっている場合などがあります。

基本的には1段落ずつ解けるようになっていますので、「長すぎる」とビビるのではなく、中文が積み重なっていると考えることが大切です。

空所補充は、「文脈理解+文法・語法知識」

長文空所補充問題は、文脈理解した上で、文法・語法の知識が必要になります。

写真のように、接続詞・前置詞・関係詞の知識が問われるものがあります。

基本スタンスは、文脈理解に集中するで大丈夫ですが、文法・語法からアプローチすることも忘れないでください。

文脈理解は「対比」「言い換え」「因果関係」などの技法を意識しながら解きましょう。読解技法は無数にありますので、詳しくは下記記事にまとめました。

「〜が言った・言ってない」問題は先読みする

長文内容理解問題で、写真のように、筆者が「〜と言った・言っていない」という問題があります。この問題は先読みが必要です

先読みしておくと、①時間ロスを防げる、②長文のテーマを知ることができる、などのメリットがあります。

この設問に関しては、解く順番が前後してしまいますが、結果的に効率良く解けるようになります。過去問演習の段階で、自分なりの解き方を練習しておきましょう。

アクセント知識も必須です

長文問題にアクセント問題が出題されます。子音・母音の発音や、名詞か動詞かでアクセントの位置が変わるといったところが問われます。

共通テストに変わってから、センター試験のようなアクセント問題の印象が薄くなりましたが、やはり「発音は大事だぞ」というメッセージが込められています。問題集で発音ルールを学ぶのもいいですし、単語帳や長文問題を音読しながら学んでいくのでもどちらでもいいと思います。あとは過去問演習を繰り返して演習慣れが大切です。

和文英訳は「とにかく分かりやすい表現」を使う

続いて、和文英訳対策ですが、慶應の英語は「分かりやすさ重視」です。問題文にもわざわざ「日本語の文をうまく英語にできない場合には、別の表現に言い換えてから英語にしてみましょう」と書いてあります。つまり、和文和訳をしなさいということです。

では、実際に2021年度入試を見てみましょう。

例えば、「三日連続の無断欠勤」が難しいですね。「三日連続」はthree days in a row, three straight daysなどが出てくるとすぐに書けます。

あとは「無断欠勤」はどうでしょうか。not come to work without telling the reasons, absent without reasonsなどが書けます。

英作文も練習しないと書けないので、私立大学ではありますが、対策することが必須です。

例えば、私の解答は次のようになります。よかったら参考にしてください。

  • B1: I feel I haven’t seen you for a long time. You were absent for three straight days without telling your boss the reasons. What happened?
  • C1: There were some reasons. I’m afraid of getting fired.
  • B2: If I were the boss, I would do. You should quit this job if you don’t want to work here anymore.
  • C2: But, I cannot talk about that to my parents. When I see my boss, I will apologize to him.

自由英作文は先読みする(長文テーマ把握できる、反論意見をメモしなければならない)

最後に自由英作文対策ですが、自由英作文も長文読解をする前に先読みをしてください。1つ目の理由は、長文テーマを知ることができます。長文の内容に直結する質問が書いてありますので、絶対に確認しておきましょう。

さらに、「本文を引用」しなければなりませんので、問いを確認して、使えそうな表現にアンテナを張りながら長文を読む必要があります。本文を引用する作業は、慶應経済特有ですので、自分なりの引用パターンを練習しましょう。

自由英作文の語数目安は100〜200語

語数は設定されていませんが、合格に必要な語数は100〜200語であると言えます。

ベースとなるのは、英検2級で書くような「主張+理由2個」です。理由の具体例やサポート文として、本文を引用したり、自分の意見と異なる意見に反論したりしなければなりません。

これらの内容を書いていけば、自然と200語近くになります。

おすすめ参考書(技能別)

続いて、慶應の経済学部に合格するための参考書を紹介していきます。私自身が、自分で使ったことがある参考書、かつ、過去問を解き終わった実感をベースにして選抜しました。

単語:『シス単』と『リンガメタリカ』

受験で定番である『シス単』ですが、この1冊を完璧に覚えさえすれば、大学受験レベルはどの大学も合格できます。1冊を覚えた上で個別試験の過去問演習に進みましょう。

「シス単だけだと足りないのでは?☹️」と言われることもありますが、そう主張する人の多くは完璧に覚えきれていない人です。とにかく1冊に集中することに専念しましょう。

加えて、長文読解の背景知識のベースを作りたい人は『リンガメタリカ』がお勧めです。これも長年受験生に愛されてきた本ですが、幅広い分野の基礎知識を英語を通して学習できるため一石二鳥と言えます。音源を活用して、日常的に音読すると良いトレーニングになります。

英文解釈:『肘井学の読解のための英文法』と『基礎英文問題精講』

英文解釈は、様々な構文知識の基礎レベルを網羅できていれば問題ありません。それを可能にする1冊です。難解な英文を読んで、本番を楽に感じたいと言う人は、『基礎英文問題精講』で訓練することをお勧めします。

長文読解:The Rules 4

長文読解は「論理のルール」を学ぶ必要があります。闇雲に演習するのではなく、プロの物書きが駆使する技法を学べる1冊がこちらになります。慶應の経済は文脈理解を必要とする空所補充が多いため、確信を持ちながら解答する姿勢が必要です。確信の源となる「読解の技」を習得することができます。これまで何となくで記号を選んでいた人には目から鱗の内容となっています。

英作文:基礎英作文問題精講

「英作文はそもそも苦手」「和文英訳も自信ない」「自由英作文はどうやって書き始めればいいの?」と言った、英作文に関わる全ての悩みを解決してくれます。

英作文で必要な知識をインプット、狙われやすい和文英訳のポイント、最新の自由英作文テーマが網羅されています。

著者である竹岡先生が毎日添削している膨大な生徒データを基に、「日本人が陥りやすい箇所」をまとめてあります。この1冊を完璧にしつつ、過去問演習をすることで合格点に到達すること間違い無しです。

慶應経済学部は、結局は英作文で差が付きます。この1冊をやり込んで差をつけていきましょう。

まとめ

以上、本記事では慶應義塾大学経済学部の英語対策を解説してきました。主に、こちらの4点について説明してきましたが、合格への糸口は発見できたでしょうか?

  • 慶應義塾(経済学部)試験概要
  • 英語の問題傾向
  • 英語の攻略法・勉強法
  • おすすめ参考書

読む前よりも新たな視点を獲得できていれば幸いです。

悲報:独学が厳しい・心配な人へ


なんとなく解き方も分かったし、参考書もどれを使えばいいか分かったけど、誰かに教えてもらった方が自信を持てる、という人もいると思います。

そのような方向けに、こちらの記事→【スタディサプリ】自分に最適な英語授業の選び方を読んでください。

人に教えてもらった方が勉強している感じがあるし、耳からの情報があった方が成長を実感できることもあります。

私自身も、独学で悩んで悩みまくった末に、先生からの授業で全て繋がった経験があります。