【英検準1級】リスニング対策ロードマップ【テクニック&学習法教えます】

英検準1級

次のような悩みに答えます。

英検準1級を受験予定です。なんとか語彙力をつけて、長文読解やライティングでも加点できるようになりましたが、リスニングが難しすぎます。2級と比較して格段にレベルアップしたと感じていて、全く攻略法が見えてきません。合格点を取るための、対策とかテクニックとか勉強法があれば教えてほしい。

英検がますます人気になり、英検準1級にチャレンジする人が増えてきました。しかし、2級と比較して、準1級のハードルは物凄く高いです。途中で挫折してしまう人が続出してしまうのも事実。さらに、多くの受験生が、リスニングに手が回らなかったり、リスニングが苦手で得点を伸ばすことができていません。

しかし、この記事を通して、英検準1級リスニングで高得点を取るための解き方や勉強法を知ることができます。リスニングを得意になれば、リーディングでもプラスの影響がありますし、合格がグッと近づいてきます。

では、始めていきます。

記事の信頼性

以下、私の英語歴です。

  • 英検1級TOEIC945点取得
  • 英語教師歴10年以上
  • 英検準1級の問題を、英検ホームページにアップされるたびに解いています

記事の内容

  • 英検準1級リスニングPart別解き方
  • 合格点を取るための勉強法5個

✔︎英検準1級リスニングPart別解き方

それではPart別に解法を説明していきます。

Part 1

まず、日常会話問題が12問です。3060秒程度の音声が流れます。こちらが、2020年度第3回で出題された問題とスクリプトです。

英検2級よりも少し長くなっています。それゆえ、聴き取った音声を脳内に保持しなければなりません。

それを、専門用語で「リテンション」と呼びます。リテンションはPart 1 Part 3まで共通して必要な能力です。

では、Part 1に特化した解法は次の通りです。

  • 選択肢を少しだけ先読みして内容を軽くイメージしておく
  • 音声が始まったら、音声だけに集中する
  • 場面や会話の流れを映像化する
  • 細かい状況よりも大意を優先する
  • 選択肢の速読は必須

1つずつ説明します。

選択肢を少しだけ先読みして内容を軽くイメージしておく

英検のリスニングは、本文が終わったあとに、その質問が流れるため、問題先読みはできません。「先読みが全くできない!?」というのがほとんどの受験生の感想です。しかし、先読みとまではいきませんが、選択肢はすでに提示されているので、軽く目を通しておくことで、話のジャンルを限定することができます。

例えば、No.1の選択肢には、taxi, restaurant, rain, subwayなどの単語が書かれているので、「レストランに行く途中に雨が降ってきて、タクシーを呼ぶか地下鉄に乗るのか迷っているのかな?」などと想像できます。

このようにイメージすることで、音声が始まったときの理解度が劇的に良くなります。選択肢4つ全てを読む時間は正直無いので、難しく考えず、軽く読んでイメージする程度で充分です。

音声が始まったら、音声だけに集中する

いざ音声が始まったら、聴くことだけに集中しましょう。選択肢からは一旦目を離してください。選択肢を気にしすぎると、本文中の答えの手がかりを聞き逃してしまうリスクがあります。

また、選択肢の先読みができなくても安心してください。本文をしっかり理解できていれば、選択肢をパッとみてすぐに答えられます。本当に、本文がとても大事です。

場面や会話の流れを映像化する

本文の内容をより理解するための方法は、「映像化」です。文字だけを聞き取るのではなく、聴き取った文字を通して、ストーリーを映像化できると、より本文を理解しやすくなります。映像化はすぐにはできるようになりません。語彙が絵でイメージできるようになるまでには時間を浸透させなければなりません。リスニングの勉強時だけでなく、日々の語彙学習でも意識することが大切です。

細かい状況よりも大意を優先する

英検のリスニングは細かい内容が問われることは稀です。なので、ストーリーの概要を理解するよう努めることで得点することが多いです。

一方で、10問に1問の割合で、細かい点を突いてくることがあります。その場合の対処法は、消去法です。明らかに間違えている選択肢や、全く聴こえてこなかった選択肢は即除外すようにしてみてください。それでも解けなかったならば、割り切って諦めることも大切です。次の質問に影響が出ないように切り替えましょう。

選択肢の速読は必須

本文音声質問音声選択肢を読む、という流れが多くなるので、選択肢の速読力が重要です。もちろん、設問先読みが出来ていれば問題ありませんが、現実的には、後半の問いに進めば進むほど、先読みは厳しくなります。それゆえに、本文と質問を聞いたらすぐに、選択肢から答えを選ぶ必要があります。

速読力アップの秘訣は、【語彙力】と【英文解釈力】です。語彙力はリスニングのスクリプトで何度も復習しましょう。英文解釈力は、基礎的な教材でいいので、1冊終わらせておくことをお勧めします。こちらにお勧め教材を紹介しておきます。

Part 2

さまざまなジャンルの学術的な内容をリスニングする問題です。英検2級までは無かった問題です。60秒〜90秒程度の長めの英文を聴き、2つの質問に答えることになります。文章は(A)〜(F)までの6つで、設問は合計12題です。こちらが一例になります。

長めのリスニングに慣れなければなりませんが、Part 2対策のテクニックとしては次のようなものが挙げられます。

  • Part 1よりも少し先読みする余裕があるため、できるだけ沢山先読みして内容を想像する
  • 本文が始まったら、本文だけに集中する
  • 本文途中の1,2秒の間が2つの問いの切れ目だと判断する

1つずつ解説しますね。

Part 1よりも少し先読みする余裕があるため、できるだけ沢山先読みして内容を想像する

Part 2は、問題が2問あるのは厄介ですが、先読みする時間があります。問題ナレーションの間、文章のタイトルが読まれる前後の時間などに余裕があります。この時間で、先読みをして、キーワードから内容を予想しましょう。

例えば、選択肢にtree, die, dry, effort, damage, environmentなどがあれば、「環境とか生物の話かな?」と予想できます。

本文が始まったら、本文だけに集中する

Part 1と同じで、本文に集中することが大切です。これは、意外とできていない人が多いです。

本文途中の1,2秒の間が2つの問いの切れ目だと判断する

問題が2問ありますが、本文途中にやや長めの間があるので、そこが2つの問題の分かれ目だと考えましょう。ここの判断は、過去問を反復してもらうしかありません。場数を踏むことで判断できるようになります。

Part 3

最後のPart 3は、実生活で想定されるシチュエーションに関する問題が5問です。こちらも、英検2級までは無かったタイプの問題です。

例えば、下の画像は2020年度第3回目からの問題例になりますが、「カナダの大学教員募集の1次面接後に次のようなメールを受信した。あなたはカナダの法定居住者である。最初に何をしなければならないのか?」といった質問です。

解法テクニックは、Part 1&2と被りますが、やはり、【先読み】と【映像化】です。Part 3は、時間的余裕はかなりあります。なので、Part 1&2よりも、先読みをたくさんできます。このタイプの問題は、英検準1級と1級でしか出てきません。もし、負荷を掛けたいならば、英検1級リスニングで練習しておくのもありですね。

✔︎合格点を取るための勉強法5個

ここでは具体的な勉強法を紹介します。私が実際に取り組んでみて効果があると感じたものだけを紹介します。

  • その①:単語はリスニングのスクリプトで覚える
  • その②:ディクテーションor本文暗唱でリテンションを鍛える
  • その③:英文解釈で選択肢の速読力アップ
  • その④:YouTubeで長めの音声に慣れる
  • その⑤:TOEICPart 1&3対策

1つずつ説明していきます。

その①:単語はリスニングのスクリプトで覚える

英検準1級リスニングが苦手な人の弱点は、「語彙力」です。会話表現を知らない場合もありますが、それよりも基本的な語彙に弱点があるケースが多いと感じます。例えば、英検2級のリーディングで出題される単語が準1級リスニングで流れてきます。なので、2級の単語を瞬時に理解できるレベルが望ましいです。

そこで、対策として、2級の単語帳を取り出すのはあまり現実的でない気がするので、準1級リスニングのスクリプトをたくさん読み込みましょう。「スクリプトで勉強する」ことは、意外と軽視されがちですが、リスニングが得意な人は全員やっています。とにかくスクリプトを読み込んでボキャビルしましょう。

その②:ディクテーションor本文暗唱でリテンションを鍛える

長めの英文をリテンションできるようになると、英検準1級以上のリスニングスコアが伸びてきます。おすすめの勉強法はディクテーションと本文暗唱です。毎日1文章でもいいですから、継続すれば確実にリテンションが長くなります。

その③:英文解釈で選択肢の速読力アップ

選択肢を速読する方法の1つが、英文解釈教材を1つ終わらせることです。英文解釈は、複雑な構文を正確に理解するトレーニングです。英検の選択肢はそれほど難しい構文はありませんが、英文解釈をやっておくことで、より速く読解することができます。選択肢の速読だけでなく、リスニング本文の理解にも大きな影響があります。ぜひ取り組むことをお勧めします。こちらが私の推薦する教材です。

その④:YouTubeで長めの音声に慣れる

60秒を超える音声対策として、YouTubeチャンネルで英語ニュースを見ることをおすすめします。私が活用している番組は3つありまして、【NHK World Japan】、【TED Ed】、【Business Insider】です。これらのチャンネルには、3分〜60分以上の様々なジャンル・長さの動画があります。最初は集中力を保つことが難しいかもしれませんが、継続することで徐々にリテンションができることが期待できます。

その⑤:TOEICPart 1&3対策

英検準1級リスニング対策として、TOEICが有効な教材になります。「日常会話」や「ビジネス場面の会話」がTOEICでは行われますが、英検のPart 1&3対策になります。英検準1級以上を目指すのであれば、TOEICも並行して勉強してみましょう。



最後に:英検準1級の勉強を通して、世界のことをたくさん知ることができます

本記事は以上になります。簡潔にまとめると、【語彙対策】【リテンション向上】をすることで英検準1級に必要な英語力を身につけることができます。

さらに、英検準1級対策として、本物の英語に触れる機会が増えると思います。英語のニュースを視聴したり、洋書を読むようになるでしょう。現在進行形で世界中で起きていることをインプットして、グローバルな話題にも詳しくなっていきましょう。