【英検1級】スピーキング対策【合格者の勉強法&思考法】
この記事では、次のような悩みに答えていきます。
- 英検1級の筆記に合格したけど、面接試験の流れが分からない…
- 英検1級面接合格のコツはあるのかな?
- 英検1級面接対策の教材などを知りたい
- 英検1級合格者の思考法を知りたい
英検1級のスピーキング試験は多くの英語学習者にとってはベールに包まれた存在でしょう。また、受験したことがある人にしてみたら、「難敵」なのではないでしょうか。
この記事では、多くの英語学習者の目標である英検1級、そして、そのラスボスとも言うべき存在2次試験の攻略方法を解説していきます。
具体的には、私が一発で面接試験に合格するまでのプロセスを紹介していきます。
筆者情報
以下、私の英語学習歴です。
- 英検1級合格、TOEIC945点
- 中高生に10年以上英語を教えています
- 英検1級の2次試験は一発合格しました

✔︎記事の内容
- 英検1級面接:流れ【約10分間】
- 英検1級面接:設問対策【しゃべりまくってください】
- 英検1級面接:おすすめ教材3選【対人、独り言どちらもできます】
- 最後に:「英検1級合格はあくまでスタートラインです」☞深掘りします
英検1級面接:流れ【約10分間】

まず、流れについて確認していきます。
- 自由会話
- 2分間のスピーチ
- スピーチ内容やトピックに関連した質問
1つずつ確認していきますね。
1.自由会話
まず入室した後に簡単な自由会話を行います。面接室には、ネイティブと日本人面接官1人ずつ、そしてタイムキーパーの事務役の方がいます。
自由会話は、ほぼ自己紹介です。私の場合は、職業(学校教員)について質問されました。
まだ面接という雰囲気でないので、リラックスしながら話すといいと思います。
2.2分間のスピーチ

ここからが本番です。まず、カードが渡されます。カードに5つのトピックが書かれてあり、そこから1つ選んでスピーチをします。
ちなみに、トピック選択+スピーチの準備を含めて1分間しかありません。
「トピックどれにしようかな〜」「どんなこと話そうかな〜」とぼんやり考えているとあっという間に1分間経っています。
なので、試験当日までにたくさんの練習をこなして、話せる話題を用意しておく必要があります。英検1級の傾向としては、日本に関する話題が多いです。その時々に日本が抱えている社会問題についてのトピックですね。
基本的な練習手段としては、自分の専門分野、得意分野を増やすようにすること。その後、様々な話題について漏れなく練習すること。そうすることでネタに困らなくなります。
スピーチ準備中に考えていること
実際には、1分間でスピーチ内容の全てを準備できる訳はありません。現実的には、スピーチしながら、次に話す内容も同時に考えていく必要があります。それゆえ、ひらめき力と瞬間英作文能力が求められました。
したがって、スピーチの2分間は、脳内フル回転させることになります。
ただ、この難敵であるスピーチにも1つだけ裏技があります。それは、面接の順番が近づいて、試験室の前に呼ばれた際に、聞き耳を立てることです。
前の受験者のスピーチ内容や面接官の質問の声が漏れてくることがあります。そこから、トピックの内容を予想することができます。
ちなみに、私の場合は、前の受験者が「サイバー攻撃がどうのこうの」という内容を話したので、インターネット関連のトピックがあることを予想できました。
それがズバリ的中したので、「サイバー攻撃への対策は十分にされていると思うか?」というトピックを選択しました。このように運を味方につけることもできます。
ただし、もし、ご自分がトップバッターだとしたらこの戦略は使えません。
ここで、もう1つアドバイスですが、英検1級の場合、会場に速く到着した順番で、面接の順番が決まります。なので、この裏技を使いたい人は、少し遅く到着するといいでしょう。
✔︎スピーチは2分オーバーしても問題なし
スピーチに関して最後になりますが、2分間をオーバーしても話し続けることができます。私自身、オーバーしちゃいましたが、そこから30秒近くは続けました。
「なんて優しい面接官なんだ。でも、やらかしたから、不合格だろうなあ」と思っていましたが、結果を見ると、スコアに影響はありませんでした。
3.スピーチ内容やトピックに関連した質問

次に、スピーチという山場を乗り越えたら、あとはQ&Aのみです。
平均的な質問数は4問前後です。
(しかし、私の場合は、たったの3問でした。直前に読んだ記事では最低でも4つは質問されると書かれていたので、3問で面接が切られたときには、「これは不合格かな」と、もの凄く不安に陥りました。)
しかし、結果は、それなりに高得点を取って合格することができたので、質問数は関係無さそうですね。
ただし、答えの分量は、4文以上、時間にすると30秒以上話すことが合格の目安とされています。
私の場合は、1つの質問に1分以上話してしまったので、時間の関係上、トータルで3問しか尋ねられなかったと推測されます。
(※面接は1人につき10分間など、制限が決まっています。例えば、2級だったら7分です。これは、円滑な試験運営のためです。)
準1級の質疑応答は、最低でも3文以上話す必要がありますから、1級は4文以上は話すようにしましょう。
準1級は、1級の基礎になるので、もしよければ、こちらの記事も参考にしてください。
<<【英検準1級】面接試験スピーキング対策ロードマップ
✔︎英検1級面接:3つの対策【しゃべりまくってください】

ここから、面接当日までにやっておくべき対策を解説していきます。正直、準1級までのように対策らしい対策はありません。
本質的には、とにかく説得力のある英文を大量に話せるようになることが対策です。なので、私が実践したことを紹介する形になります。
- 対策①:自分の専門分野・得意分野を伸ばす
- 対策②:グローバルとローカルどちらの視点を持てるようにする
- 対策③:日々、情報収集しておく
では、1つずつ説明していきます。
対策①:自分の専門分野・得意分野を伸ばす
スピーチトピックは5つありますが、約2分間話すためには、1つのトピックに対して深く話せる情報量が求められます。
なので、自分の専門分野や得意分野なら、いくらでも話し続けられるくらいの知識量を身につけることが大切です。
例えば、私は、仕事柄、「学校教育」に関する知識は比較的多い方です。なので、「サイバー攻撃」のトピックを選んだ際にも、「学生も嫌がらせを受けることがある」という具体例を混ぜて説明しました。その後のQ&Aでは、学校現場での対策について深く質問されました。
対策②:グローバルとローカルどちらの視点を持てるようにする

次に、たくさん話す際の「視点」についてのアドバイスです。英検1級のトピックは、グローバルな話題を出されますが、自分の意見は必ずしもグローバルな話をする必要はありません。
むしろ、身近な具体例や体験談を混ぜた方が、面接官を納得させる意見になります。
例えば、「サイバー攻撃への対策」で言うと、「政府は法整備を勧めている」はややグローバルな意見ですが、「学校でもSNSの使い方を指導している」ならばローカルな話になります。
このように広い視点だけでなく、リアルな体験を絡めたローカルな視点を持つことで、より説得力を高めることができます。
日常的に見ているニュースの内容が、自分の生活にどう影響するのかを考える習慣を身につけると、様々な観点から意見を述べられるようになります。
対策③:日々、情報収集しておく

最後になりますが、常日頃からのインプットとアウトプットが大切です。
例えば、過去問をやった後には、その質問について情報収集します。「グローバル化は良い影響をもたらしているか」というお題(2020年度第3回)に対して、ポジティブな意見しか知らない場合には、一応、ネガティブな意見を調べます。
こういった具合いで、知らないことをリサーチする姿勢が大事になります。
話しは少し変わりますが、大学入試でも自由英作文が出題されるようになってきました。特に、難関大学でその傾向が強いです。地方国公立大学でも増えてきています。生徒はそれに応じる形で努力する訳ですが、自由英作文が得意な生徒は、最初から得意なわけではなく、英文を書きながら、ググって情報収集も行っていると聞いたことがあります。
つまり、高校生も大人も、アウトプットの基本的な勉強スタイルは同じです。
とにかくインプットとアウトプットを繰り返す。
アウトプットを伸ばすことに王道はなしです。
✔︎英検1級面接:おすすめ教材3選

次に、私が英検1級面接対策で使用した教材を紹介します。では、1つずつ紹介していきます。
- その①:オンライン英会話
- その②:英検1級 面接大特訓
- その③:最短合格!英検1級 英作文問題完全制覇
その①:オンライン英会話
人と英語を話すことが一番の訓練になります。私はオンライン英会話を使って、英語がパッと口から出てくる状態を維持するようにしました。オンライン英会話は、無料お試し期間がありますので、試験の直前1週間だけ、無料を利用するのもありです。メジャーなのは、
この3社です。興味があれば、お試しください。
<<無料あり:英検1級合格した私がおすすめするオンライン英会話3社
その②:英検1級 面接大特訓
英検1級指導のプロ植田先生が著者です。問題の量が豊富なだけでなく、Q&Aの模範回答、合格者の模範回答、論理の深掘りの仕方など、面接合格にダイレクトにつながるアドバイスしかありませんでした。【練習】→【解説確認】を反復すれば間違いなく合格に近づけます。
その③:最短合格!英検1級 英作文問題完全制覇
これはライティングの問題集ですが、スピーキング対策としても有効です。ライティングのトピックを網羅しているため、幅広いジャンルをカバーする際に、かなり役立ちました。また、ライティングの質問をスピーチのトピックとして練習することもできます。具体的には、【質問を読む】→【1分考える】→【2分間独り言スピーチ】の流れで練習します。
✔︎英検1級スピーチ過去問:こちらで練習してみてください
- Is the Japanese economy too dependent on manufacturing?(日本経済は製造業に依存し過ぎであるか)
- Are enough public funds invested in the arts?(芸術に十分な公的投資がされていますか)
- Should more be done to combat extremism on the Internet?(インターネット上の過激派に立ち向かうために、もっと多くのことがされるべきですか)
- Will Asia dominate the world stage in the 21st century?(アジアは21世紀の世界を支配するでしょうか)
- Is enough being done to stop the illegal trade in endangered species?(絶滅危惧種の不法取引を食い止めるためのことが十分されていますか)
- Has the quality of journalism declined in the digital age?(デジタル時代において、ジャーナリズムの質は低下したか)
- Agree or disagree: Sexism has been eliminated from modern education?(賛成か反対か:性差別は現代教育から排除されてしまった)
- Would the global economy benefit from having a single world currency?(世界経済は唯一の世界通貨をもつことで利益を得るだろうか)
- Is it possible for developed countries to sustain present standards of living?(先進国が現在の生活水準を維持することは可能ですか)
- Agree or disagree: Technology is undermining the role of teachers in the classroom?(賛成か反対か:テクノロジーによって教室内の教師の役割を弱体化させた)
- Will infectious diseases become a greater threat to humanity in the future?(感染症は、将来、人類に大きな脅威となりうるでしょうか)
- Is world peace an achievable goal in the modern world?(現代の世界では、世界平和は達成可能な目標ですか)
- Do the advantages of ecotourism outweigh the disadvantages?(エコツーリズムのメリットは、デメリットを超えていますか)
- Do the values of today’s company employees differ from those of past generations?(今日の会社員の価値観は、かつてとは異なっていますか)
- Are the threats to society posed by the Internet being taken seriously enough?(インターネットによる社会への脅威は、十分深刻に考えられていますか)
- Which should school curriculum emphasize more, competition or cooperation?(競争と協力のどちらを教育課程は重要視すべきか)
- Are family values today as important as they were in the past?(今日の家族の価値は、過去と同じものですか)
- Is the fossil-fuel era coming to an end?(化石燃料の時代は終わりを迎えつつありますか)
- Are war and violence inevitable in human society?(戦争と暴力は人間社会に不可欠ですか)
- Should domestic issues take priority over international issues?(国内の問題は、国際的な問題よりも優先されるべきですか)
Debate.org(www.debate.orgDebate.org)というサイトでも、スピーチ練習ができます。ご参考ください。
✔︎最後に:「英検1級合格はあくまでスタートラインです」☞深掘りします

今回の記事は以上になります。大事な部分をまとめます。
- 自由会話はリラックスしてやりましょう
- スピーチ対策は面接室に入る前から始められます
- スピーチは2分間オーバーしても大丈夫
- Q&Aは4文以上答えること
- 専門分野で語れるようにする
- グローバルとローカルの両方の視点を持つ
- インプットとアウトプットを習慣化
最後になりますが、「英検1級合格はあくまでスタートラインです」という言葉はよく聞きますね。これは本当なので、どういうことなのか深掘りしていきます。
例えば、英検1級に合格した後に、海外ニュースを聞いても分からないことが多いです。更に、難関大学入試やTOEICなどの問題を解くときも、常に満点を取れる訳ではありません。
つまり、英検1級合格=ゴールでは全くありませんでした。
上には更に上がいて、英検1級を10回以上合格している人、TOEIC満点90回以上の人、国連英検特A級に合格している人たちが存在している訳なんですね。Twitter界隈は本当に凄い人たちばかりです。
なので、たとえ合格したとしても、努力は継続しなくてはいけないことを意味しているんだと思います。
英検1級合格する人に、それで努力を辞める人はほとんど皆無だと思いますが、まだまだ上達の余地があるという意味だと解釈できます。
それでは、今回は以上です。